定常円旋回

パイロンを1本使用した小さな円を描くものから、半径15メートルぐらいで2速をつかうものぐらいまでが練習の対象になると思いますが、この練習はクルマの挙動を知るためにはもってこいなので機会があれば積極的に試してください。

僕は初めてのクルマに乗らせてもらうときは取りあえずグルグル回らせてもらいます(笑)この方法がそのクルマの癖を知るには一番手っ取り早いと思うからです。昔、近所にちょうど2速で定常円が出来るところがありまして夜な夜な練習に行きました。SW20の1型、例の足回りをボロクソに批評されたクルマですが確かに難しかったですね。1周続けるのがやっとでした(オーナーは出来ない)。要するにスライドを維持するアクセルの調整範囲がすごく狭いのですよ。踏まなければアンダー、踏みすぎればスピン。なんじゃこりゃ?って感じで危険な車でしたね。2型以降はかなり安定志向になっていますので頑張れば出来ます。

シルビアなどのS13系は楽勝です、片手でも出来ます。ドリコンで多数見かけるのも頷けます。この車は前述のSW20と違いスライドを保つことが出来るポイントがかなり広いので少々ラフな運転でも受け入れてくれる懐の大きさを感じます(笑)。

ロドスタやAE86などの小排気量車は結構難しいんですよ。ロドスタは特にホイールベースも短いのでスピンもしやすいですしね。パワーも無いのでアクセルは全開に近い状態でのコントロールになります。ここらへんに「86で上手い奴は何でも乗れる」と言われる訳がありますね。パワーがあれば誤魔化しが効きますが、無ければそうはいきません。ここはロドスタに乗ってる人が多いと思いますが、頑張って練習しましょうね。ロドスタで出来れば他のクルマも出来ます。

でもNB系のロドスタはNA系に比べると大楽勝ですよ(笑)。NB系で難しいとは言わせません(笑)。

さて実際の手順ですが、まったく経験したこと無いひとはパイロン1本を使い「マックスターン」から始めましょう。映画のマッドマックスから名づけられたこのターン。映画ではバイクでしたが要領は同じです。パイロンを真横に置いた状態で停止し、回りこむ方向へステアリングをロックするまで切ってアクセルを思いきり開けます、そうですね5千回転以上でやってみましょう。つまりクラッチを切った状態で回転数を上げておき「一気に」クラッチをつなぐ訳です。半クラッチはいけません、「ドン」とつないでください。するとビックリするぐらいクルクル回れるはずです。びびってアクセルを戻さないよーに。

スライドすることに慣れたらアクセルとステアリングをコントロールすることによって綺麗な円を描くように練習してください。左右両方とも試してくださいね。でもやりすぎはクラッチを初め駆動系に負担がかかりますのでホドホドに。

次のステップはキッカケにサイドターンを使ってみましょう。サイドターンから定常円につなげるということです。ここまで出来るようになれば次は2速で練習しましょう。当然、円の大きさも大きくなりますよ。最初はステアリングを切りながらグルグル回って次第に速度を上げていきましょう。速度を上げるに従いステアリングの切る量が増えていくと思います。そのうちステアリングを切っても曲がらない状態になるでしょう、それがアンダーステアな状態です。アンダーになるよという信号はステアリングの手応えです。それまで感じていたある程度の「重さ」が軽くなる時があります、その時が「もうこれ以上は曲がりませんよ〜」という状態です。これは1速でも体感出来ますので・・・

いつまでもアンダーで回っていても練習にはなりません。オーバーに持ちこんで行きましょう。どうやってオーバーに持ちこむか? これが難問ですね。方法としては2つ、まずは旋回中にアクセルをガバッとあけていわゆるパワーオーバーな状態にする。これはハイパワー車なら楽ですが、ロドスタクラスだと難しいかもしれません。ではどうするか?旋回中にサイドを引きましょう、当然クラッチを切ってですよ。これなら簡単にスライドできますが、かなり急激な挙動が起きますのでサイドを引く前から気もちの準備はしておいてくださいね。サイドを引く時間も短く、一瞬でいいはずです。

リアをスライドさせることが出来れば、あとはステアリングとともに円を描くように調整しながら回りましょう。とは言うものの2速で一定の円を描くのはかなり難しいですよ。健闘を祈ります。