ブレーキング
車の操作のなかで一番難しいのがブレーキングだと思います。停止させるならば停止するまでブレーキを踏んでいればいいので簡単です。スポーツドライビングにおいてのブレーキングの考え方は『そのコーナーを曲がる事のできる最高スピードへ減速すること』なんです。
最高スピードはその時のタイヤ、ブレーキ、コースの状況、そしてドライバーの状態によって変化します。変化する状況を一瞬にして判断していかなくてはならないので、いかにブレーキングが難しいことか理解してもらえることと思います。
ブレーキはタイヤがロックする寸前が一番効きがいいと言われています。ならばそれを知るためにはまず、タイヤをロックさせてみましょう。あまりスピードが高い必要はないですから1速全開できる場所があれば良いです。ここでタイヤがロックしたときにブレーキペダルに伝わってくる感触、スキール音などを覚えましょう。
ロックさせることが出来たのなら、次にロックを解除させることも体験してください。ロックしたらブレーキペダルを緩める、そしたらタイヤのグリップが回復するということを体で覚えてください。これが出来れば万が一、パニックブレーキを踏んでロックさせてしまってそのまま衝突なんて時にも回避できる可能性が生まれます。
ここまで来たら次の練習です。目標物(パイロンなど)を前方に置いてそこに向かってフルブレーキングしてください。その際、ブレーキの踏力は変えないことがポイントです。踏み始めの力のままで車が停止するまで踏んでください。多少、ロックした状態で停止するかもしれませんが、ここでの狙いは自分のなかの「制動距離感」をつかむことなので気にしないで実行してみてください。大体パイロンの位置で止められるようになったら次はロックさせずにしかも最短距離でパイロンの位置で止める練習をしてください。イメージとしてはパイロンの先は崖っぷちで行きすぎたら落ちちゃう(笑)ぐらいの気持ちで真剣に練習してください。
実際の走行ではブレーキングのあとはコーナリングが待っています。直線状態での練習の次はコーナーを設定して同様の練習をしてください。車の姿勢が変わりやすいので難易度は上がりますよ~
ブレーキングで難しいのは何もブレーキを踏みこむ時だけではありません。ペダルから足を離すときにも色々な離し方があります。その方法によっては車の姿勢を乱してしまうこともあるし、逆に姿勢変化に利用することも出来るのです。例えばブレーキを踏むときの勢いで離せる時、すっと離せる時はまだまだ奥まで突っ込める証拠です。奥まで我慢してブレーキを踏んだ時は力強く踏んでいるはずですから、離すときには車の姿勢変化を見極めながらになるのでゆっくりになるはずです。
最悪なのがストレートで減速しすぎてしまい、CPの手前で再びアクセルを踏んでしまいアンダーステアを誘発してしまうことです。自分なりの「制動距離感」をつかんでいればこう言う事にはなりませんね。上達に近道はありません、地道な練習がものをいうのです。頑張りましょう。