コラム >2010/04/06 タイムスリップ

タイムスリップ

小学生の夏休み、オヤジが唯一連れて行ってくれた(他の記憶は無いので……)瀬戸内海の真鍋島。オヤジが死んで1年のこの春、実に30年振りに訪れました。あの頃、自宅には車がありませんでしたからどうやって港まで行ったか覚えていませんが随分遠くに感じました。実際は自宅からクルマで20分、船で45分……で到着です。そんな「近場」だったとは。
人口わずか300人ぐらいとのこと。漁業以外に産業は無く住人は高齢の方が多いです。宿も2件、商店も数件、観光客相手な感じは皆無です。でも島の人は会う人会う人挨拶してくれてとてもフレンドリー。自動車もほとんど存在しません!歩けばOK、自転車があれば十分かと。

宿は港と反対側の海に面した三虎。外観は昔のままかなぁ~。古い学校がベースだったりします。現在進行形で拡張されていますので毎年少しずつ変化してるとか。

階段は昔のまま、学校ぽいでしょ?

廊下の雰囲気とか。

晩飯のスタートです!ここは魚料理がメインです!まずは活きたヒラメの刺身から(贅沢だ~) オカシラがピクピクしてますよ~ 当然、旨いです!この後も食べきれないほどのボリューム。朝飯も舌平目が出てきましたし値段を考えると大満足な料理ですよ。魚好きには堪らないでしょう~

これは露天風呂。なんと海水をわかしているのです。しょっぱいフロなんて初めて(笑) 手の擦り傷がしみます(塩ですから) 露天で目の前は海、見上げたら満点の星空。もうね……最高ですよ。こんなに気持ち良いフロは北海道の露天風呂以来かなぁ~ やっぱり自然の中って落ち着きますね。

朝もやの海。なんとも幻想的な風景です。波の音以外何も無い世界。

三虎さんの全景です。夏は予約が取り難いそうです。

あいにく下の2人が体調を崩して来れませんでしたのでノゾミ嬢だけ。今度はみんなで来ようね~ しかし4月とは思えない陽気。TシャツでもOKでしたよ(20度以上あり)

海岸の風景はほとんど変わっていなくてオヤジと釣りをしたことを思い出せました。あまりにも沢山釣れて晩飯に出してもらったりとか。オヤジが生きていた時にみんなで来たかったなぁ~なんて思ったり。でもオヤジはもう居ないわけで次は私が子供達を連れて行く番なのかなとも思ったり。

ネットも無く携帯電話も使わない1日はとても新鮮でした。無くても生活は出来るしあることによって「窮屈」になっていることもわかりました。とは言え、今すぐそれらを放棄するわけにもいかないのが現実でもあり。要は「心がけ」と言うか自分の気持ち次第で上手く付き合えばいいんじゃないかと。

クルマもバイクもほとんど無い島ですがそこの人達はそれで暮らしています。船で本土に帰った時の騒々しさというか車の洪水の違和感と言うか……あぁ島とはまるで別の世界なんだなと。今まで本土にしかいないから「当たり前」と思っていたことが実は「正しくない」のかも知れないと考えさせられました。

弟はドイツに10年以上暮らしています。生活習慣の話を聞くと日本と違うことばかり。どちらが正しいというわけじゃないですが「自分の方が正しい」と思い込むことは間違っているなと。俯瞰というか鳥瞰というかたまには外から自分の世界を見つめなおすことも必要だなぁと。

海外に行かなくても自宅から1時間ちょいのこの島でリセットできることがわかりました。宿の方が「船が島に着いて島に降りた時に島時間になるらしいよ」と言われた意味が少しわかる気がします。

今の日本、生き急いでいる気がするのは私だけ?

毎年来たいな~ いや来よう!