コラム > 2008/05/27 ザ・グレートフリー

ザ・グレートフリー

最近、読んだ本によると自由業は「グレートフリー」ということ(笑) 言い換えれば「無職、保障なし」!仕事があればするし無ければしない。そうなのか、私は無職なんだ(笑) 働くことって何なんでしょうね?考えてみるのもいいかも。

サラリーマンの時、サラリーマンを辞めることには抵抗がありました。世の中の大多数はサラリーマン、つまり雇用されているってこと。今では崩れてきましたがサラリーマン=安定という時代がありました。勤めていれば給料がもらえる。つまり生活スタイルが「計算」できるということ。勤めていれば給料がもらえてその中から家賃、光熱費、食費……と計算できます。言い換えればリスクの計算ができるのです。今、お金はこれだけだからこれは買える、これは次のボーナスで買おうとか。そんな感覚が私にも10年くらいありました(サラリーマンだった期間です)。

私のようにサラリーマンをやめてフリーになると言う事は生活設計が出来ないということです。確かに収入は読めません。読めないということをマイナスに捕らえるから「リスク」なわけで「もしかしたら儲かるかも」と考えればリスクになりません(笑)商売してる人は大抵そうだと思いますが「売り上げ」なんて正確に読めないんですよ。独立しようと思うけど躊躇する人って「リスクは計算できるけど利益が計算できない」状態じゃないかな?でも世の中には商売してる人は沢山います。なぜか?私の場合は「たぶんイケルはず!ダメなら諦めるけどやらないうちから諦めるのはイヤだ、とりあえず始めよう」という感じかな。とにかく始めたかったんですよね。強いオモイ、それがあれば後は前向きに考えられると思います。

自分がロードスターに乗っていて「こういうお店があったらいいなぁ」と思うようになり他の人も同じような気持ちじゃないのか?と。ならば成り立つ可能性はあるよね!って。とは言え不安もありましたので初めは手持ちの資金内でのスタートでした。ダメになっても借金が無いという状態です。初めこそ創業資金を借りてドーンと派手にスタートする方法もありましたが、それは選択しませんでした。そこまで楽天家じゃなかったということで。

この秋で当店は丸6年が経ちます。始めた当初はもちろん自分が食べていけるかどうかが最優先なわけで今思えば余裕が無かったなぁと。最近では自分が食べることも当然大事なのですが同じロドスタ乗り達の役に立ちたいと考え、少しはロドスタ乗りの役に立っているかなという実感が沸いてきました。仕事ってそういうもんじゃないかと。誰かの役に立つ、それが実感できることはとても幸せなことじゃないかと。どんな仕事であっても誰かのためになっていると思います、ただそれが「見えにくい」仕事場が多いのでは?と。私らのような小さな商売は扱うお金も小さいですが仕事の対価としてダイレクトに現金が見えるのと「ありがとう」という言葉を直接頂けることが「仕事をしている実感」として感じやすいのかも。

どんな仕事であっても考え方次第で随分違うと思います。誰かの役に立っていると思えればやりがいも出ると思いますし「だるい、めんどくさい」と思えば楽しくないでしょう。組織の中で単純に「誰かの役に立っている」と思いにくいかもしれません、でも大きな視野で考えることが出来ればそれも可能なはずです。

20代の頃って悩むんですよね、このままでいいのだろうか?って。今の仕事は自分に向いていないとか……結局「自分のこと」しか考えられないので辛い目にあうと安易に転職したりするんですけど次の職場でも辛いことがあるとまた辞めるんですよね。自分に何が向いているかなんてわからないと思うんですよ、結局のところ。なので天職なんて無いと思っています、私は。自分で選んだ職場(仕事)を頑張り続けること……が大事だろうと。