コラム > 2006/01/18 「出た」と「出した」の違い

「出た」と「出した」の違い

最近タカタでタイムアタックが盛んですね。気になるのはもちろんタイム。走りこめばタイムは縮まります。ただ同じ走りこむにしても目的意識を持つか否かでタイムの意味は違ってきます。

サーキットでのレコードラインは大抵決まってきます。それは必然です、そのタイムを出すために通る道です。なのでビギナーが同じラインをただマネしただけでは意味がありません。そもそもスピードが違います。そのラインを通る「意味」がありません。例えばヘアピンコーナー。定石はアウト・イン・アウト。でもゆっくり通過するならイン・イン・インも可能です、ね。アウトから進入して行くのはそうしないと曲がれないからです。ゆっくり進入するなら初めからインに付いた方が速いでしょ(笑)距離が短いんだから。あえて距離のあるアウトから入るのは進入スピードが速いから、脱出も同様。

どこを通るかは自分の車と自分のスキルによって見極めなくてはいけません。このコーナーをこのスピードで曲がるためにはどのくらいのブレーキが必要でどのくらいステアしてどのくらいアクセルを踏むのか?1キロでもコーナーリングスピードを上げるために何をすべきか?

そして重要なのは 思い描いたイメージは正しいのか?

禅問答のようですが(笑)思い描いたものが正しくなければ速く走ることはできないでしょう。そのイメージはどうやって作るのか?

天才はひらめき……かも知れませんが、我ら凡人は……常に考えて走ることです。今のブレーキは良かったのか?もう少し詰めれるのか?離すタイミングは?ステアするタイミングはこれで良いのか?もっと早く?それとも遅く?アクセルオンのタイミングは?などなど……いくらでも検証すべきことはあります。しかもそれらの組み合わせは無限に近いかと……見つかるまではね。

昔ジムカーナをしていたころにレッスンを受けたことがあります。そこで聞いたことで今も覚えていることがあります。「ジムカーナでは実際の走行の前にアタマの中で何度も何度も走ります。なのでミスコースはありません。アタマの中でしたことをただ実践するだけですから」……と。つまり実際に走る前にイメージが出来上がっているのですね。しかも勝てるイメージが。なのでトップドライバーは1本目からタイムを出しますし2本目もほとんど変わらないのです。走行しながら「次はどっちだっけ?」というのは論外で(笑)1本目と2本目のタイム差があるのも未熟な証拠です。ジムカーナではその日に発表されたコースをいきなり走りますので物凄い適応力が必要です。それを養うのは練習あるのみです。練習していろんなケースに対応できるアタマと車を作るのです。

サーキットでは同じコースをぐるぐる回るだけですから攻略という点では難しくないでしょう。なので1日の中でタイム差が1秒以上ある人は感性で走っている人でしょうね(笑)ですから「今日はタイムが出た!」というのと「この周に狙って出した」では全然意味合いが違います。たまたま「出た」人には自覚がありませんから再現できる自信も無いでしょう。でも「狙って出した」人には内容が理解できているのでその日の限界もおのずとわかるはずです。

イメージを作る……これは一朝一夕にはできないと思います。10年以上走っていても「発見」はあります。「あぁこうやって行けば速いんだ!」その瞬間が楽しくて走り続けているような気もします。

足を固めてばっちり効くブレーキを入れてグリップするタイヤを履けばそこそこのタイムは出るでしょう。でもそれではドラテクの向上にはなりませんよ。考えることを放棄しているのですから。プアなタイヤでも良いんです。それをいかに使えばその中でタイムは伸ばせるのか?その努力はきっと実を結びます。花が咲くには時間が必要なのです。

カメがいいですよ、カメが。「かめっ」って叫びながらコーナーリングしましょう(笑)>わかるかな?

商売的にはおもいっきり矛盾するんですよね、これが(笑)あんまし我慢させるのもカワイソウなのですが……でもなるべく我慢させてます>なんて店だ(笑)我慢させられてる人は見込まれていると思ってください。

おじさま達は残された時間が多くないでしょうから比較的自由ですが(爆)