コラム > 2003/03/13 ウソ

ウソ

ウソをつくと心苦しいですよね?ウソをつくことで他人も騙すし自分も騙している気がします。でも「その時」はそうするしか無かったと思える時もあると思うんですよ。ウソをつくことがその時は正しいと思って……でも今、それが間違いな気がしてきたのです。

2002年9月1日、嫁さんが死にました。首を吊っての自殺です。そううつ病でした。

その時、私はジムカーナに行っていました。帰り際、オヤジから電話で「〇〇〇(嫁さんの名前)が死んだぞ。すぐ帰ってこい!」と……「は?なに?朝、話したじゃん。ウソだろ?」。自問自答しながら帰宅すると嫁さんは冷たくなっていて2度と目を開けてくれませんでした。

付き合いはじめた時、すでに通院していました。何度か自分を見失い入退院を繰り返しました。睡眠薬を大量に飲んでの自殺未遂もありました。それでも私と一緒に暮らす事を望み、頑張ってくれました。クスリを飲まないと維持できない日常はとても辛かったと思います。なりたくてなった病気じゃないんです。なんでこいつがこんなに苦しまなくてはいけないのか?私は側にいてやる事しか出来ません。本当の辛さなんてわかるはずがないし……

夏頃、体調不良に追い討ちをかけるように鬱の状態がひどくなりました。8月後半、一緒に病院に行って先生と相談して、食事もとれないので元気が出るまで入院しようか?ということにしていました。そう提案したのは嫁さん本人でした。私には前向きに考えられるようになったように見えたのです。ホントは違ったのかも知れないのに……

入院予定日は9月2日でした。

あまりにも突然の死……しかも自殺ということで公表してよいのか迷いました。嫁さんのことを知らない人に変に思われるのがイヤで嫁さんの友達以外には伏せていました。つまり私の知り合い、ここを見る人には初めて知る事実だと思います。

でもあいつは精一杯生きたと思うんですよ。31年という決して長くはない人生でしたが。だから結果も含めて全てを認めてあげたいんです。自分で首を吊るなんて相当の覚悟がいると思うし、そうするしかなかったと思うんですよ。あの時の彼女には。

だからウソをつき続けるのは彼女に対して失礼な気がするんですよ。だから私は自殺が後ろめたいとは思いません。そりゃあ残された家族は苦しいかもしれませんが、本人の辛さに比べたら大したことないと思います。彼女と過ごした4年間は忘れる事は無いでしょう。きっと。

今は色々な思い出をくれてありがとう。そしてお疲れさま。もう頑張らなくて良いんだよ……